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溺愛執事の恋愛事情

第1章 神様ヘルプ!




「ママ」
「んー?」
「ハイセと、買い物行った?」


ハイセの持ってきてくれたフレンチトーストを口に頬張りながら。
すでに食事を済ませたママへと向けた視線。
コーヒー片手になりやら書類に目を通してる最中で。
あたしの言葉にママは、書類片手に顔だけを、あげた。


「どうして?」
「……別に」

そんな真剣に聞かれても。
イエスかノー、でよかったのに。


「行ったわよ?」
「そう」
「ダメだった?」
「いゃ、ダメく、ない」

わけわかんない日本語。
動揺してんの、バレバレじゃん。
ハイセがいなくてよかった。



「皇ちゃん」
「何」
「結婚するまでは常識あるお付き合いしてね?」

「……っ!?」

口に入れたスープが思わず空気と一緒に違う道に入ってった気がする。
勢いよくむせこんだあたしの前で、平然と視線だけをあたしへと向けるのは薄情すぎるたぶん血の繋がった実の母親。

「な、何……っ」

「琲生」

「お嬢様、お水です。飲めますか?」


いつの間に現れたんだこいつ。
とか思いつつも、彼に背中を撫でられればおちついちゃうから不思議だ。

「秩序は守ってね、琲生」
「申し訳ありません」
「皇ちゃんも。お泊まりするなら見つかっちゃ駄目じゃない」

「な……っ」

論点ずれてるよ、ママ。
怒るとこそこなの?
珍しく真面目な顔なんてするからびっくりするじゃない。



るんるん気分のままに、彼女は再度山のような書類へと視線を落とし。
たぶんもう、仕事モードに切り替わってる。


小さくひとつ。
ため息をこぼすと、ハイセの持ってきた冷たいお水を一気に飲み干した。
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