第1章 【9】願いと流星群 前編
「お!いたな。藍希上がって来いよ」
「あ…はい」
ああああああああああああ
八乙女楽と会話しちゃったよおおおおおお
心の中はとんだオタク
「ねえ、藍希ちゃん」
突然、私の天使様の声が目の前で聞こえた
世界一大好きで
少し高めの
天使の羽の様に軽くて
透き通った声が
「大丈夫?動けるかな?」
目の前には九条天姿がある
全員椅子居座ってはいれども人の波をかき分けて私の前に立っている
「あの、足が動かなくて…ごめんなさい」
私のためなんかに足を運んでもらって、本当に申し訳ない
「キミが謝ることはないよ。ボク達の方こそ驚かせすぎちゃったね」
しゅんと目を伏せる天に目と心を奪われながらも、そんなことはないと否定した
「さあ、僕の手を取って」
「天……じゃなかった。九条さん、あの?」
差し出された手を見つめ真意を聞く
「ふふっ。いつも通り、天って呼んで。ほら、楽と龍がステージで待ってる。行こう?」
「…はい」
おそるおそるその手を取った