第1章 【9】願いと流星群 前編
「は?」
待って。それ、私の名前
私の思考停止具合はひどいものだ
周りの声が一切、すべてシャットアウトされた
女子の落胆する悲鳴
私の友達の歓声という名の悲鳴
その他大勢の誰だというざわめき
「あれ?藍希ちゃん今日はお休み?」
「さっき卒業証書をもらったの確認しただろ?どっかにいるだろ」
「そっか」
何故かTRIGGERの声だけは聞こえた
立たなきゃ
ステージに行かなきゃ
そう思えば思うほど力は抜けていき、立つことなんてできなかった
「ほら、藍希、立つよ!」
見かねた親友が私のもとまで中腰で来てくれ、私を何とか立たせると自分の席へ帰っていった