第2章 【9】願いと流星群 後編
唇をゆっくりと離し、おもむろに空を見上げると流星が次から次へと流れている
「来年も再来年この先ずっと藍希ちゃんとこの夜空を見れますように」
「あ、私も! 天の支えになれますように」
「隣じゃなくていいの?」
天は不思議そうに訊いた
だって…と理由を返す
「だって…天の隣は楽さんと龍之介さんでしょう?私じゃない」
天は一瞬驚いたような表情をしたがまた一瞬で口元に笑みを浮かべ優しげな表情に戻った
「さすがボクが一目惚れしただけある、ボクの彼女さん?」
「一目惚れ」「彼女」というワードに血液が顔に集中した
「赤くなった?暗いのが残念だなぁ」
私の顔を包みさらりと撫でる天の右手は天使のような中世的な顔立ちと反して、しっかりした男の人の掌だった