第2章 【9】願いと流星群 後編
「ミッション、クリアできた……!」
天に笑って見せる
そうすると、彼はおもむろに口を開いた
「ボクはまだだから少しいいかな?」
「はい」
何を告げられるのかと小首をかしげていると、天は切り出した
「あのね藍希ちゃん」
「ボクは……藍希ちゃんが好き。あの日、一目見た日から」
「ボクはアイドルだから、プロの自覚があるから言わないのがセオリーだと思う。だけど、今伝えなくちゃって思ったんだ」
「それで振られるならきっぱり諦められるし、もし、そうじゃないなら……然るべき日まで待ってて欲しいんだ」
「……ってごめん。傲慢だね。忘れ________」
「________ッ私も! その……好き、です。 私でよければ…然るべきその日まで待ちます」
驚きと胸の高鳴りに翻弄されながらも自分の心の内を必死に伝える
この瞬間が星灯だけの夜でよかった
こんなに朱に染まった顔を見られるのは少し気が引けるから
「キミがその答えを出すのは予想はしていたんだ、ごめんね ただ……」
「ただ……?」
「その日が来たら社会がキミを認めてくれるかわからない、とても危ないものかもしれないんだ」
「危ない世界……」
「そう。ボクにも予想がつかない世界が待っているかもしれない」
「もちろんキミを守る。 だけど、誹謗中傷は多くも少なくも必ずあるし、キミの友達から裏切られたって言われるかもしれない」
「普通にデートもできないし、仕事が優先になる。 それでもいいのなら________」
天は真剣に語る
天と友達という関係を越えるにはこれだけの覚悟が必要で、たとえ私がいようと彼はアイドルで、プロであり続ける
そんなの分かってるよ……!