第2章 【9】願いと流星群 後編
今また1つが夜空を滑り落ちる
「来年は天とこの星を見れますように」
星に願った
本音を言えば、今年も一緒に見たかった
でも、仕方がない。仕事なんだから。
私のワガママを彼に言う気は毛頭ないし言ったところでどうなる彼ではないが、仕事を投げてくることはないのは確かだ
誰よりもプロ意識が強いのだから
「来年こそは________」
「________来年でいいの?」
後ろから今とても会いたい人の声が聞こえた
「天?! 何でここに?!」
「死ぬ気でいろんな手段考えてきたよ」
天の息はさらりと物を申した言葉とは裏腹に少し上がっている
丘のふもとから走ってきたに違いない
「ちなみに間に合った?」
「あ!」
急いで望遠鏡のスコープをのぞいてシャッターを切った