第2章 【9】願いと流星群 後編
時は過ぎ、食事会という名の近況報告会及び私のヘッドハンティング会は幕を閉じた
そして今はタクシーの中
だいたいの方向が同じ天が送ってくれるらしく、天も一緒だ
「あ、そうだ。東京って星が観られる場所ってありますか?」
「星? ないことはないけど…何で?」
「もうすぐペルセウス流星群の季節じゃないですか!」
興奮気味で答えた
私は密かに星座観察とかお月見とかが大好きなのだ
前住んでいた町は田舎だけあってよく星が観られた
冬場に一人で星を観てたりした頃はよく風邪をひくって怒られたっけ……
「藍希ちゃん星好きなの?」
「大好きです!天は……?」
「ボクも好き。兄弟がさ、体強くないのに冬場に星が観たいって言いだした時は本当にどうしようかと思ったよ」
天に兄弟がいるなんて初耳だ
言われてみればお兄ちゃん気質あるかも……
「どうやってなだめたんですか?」
「本だよ。本を読んで聞かせたんだ」
「なるほど。得策かもしれないですね。いちばんはやっぱり実際に見せる事なんでしょうけど」
「そうだね。あの頃のボクは何もできなかった……弟1人喜ばすことも……」