第2章 【9】願いと流星群 後編
「でもなんで私が先生が好きだってこと知ってるんですか?」
「ラビチャの自己紹介欄、新刊のお祝いコメント書いているでしょ?」
「あ、そっか。確かに書いてます。なんか『白いパズル』の主人公みたい……ってもしかして?!」
「そう。そのもしかしてだよ。ボクが主演」
「すごく……ぴったりです……この上なく……」
「ふふふっ。ありがとう」
白いパズルの主人公はまだ高校生であるにもかかわらず専門家顔負けの高い推理力を持つ
まだあどけない表情が残る顔と異常なまでの推力を持つ顔の二面性、ギャップがたまらない魅力を放つ作品だ
「見るのがすごく楽しみになりました!天が主演だとさぞかし撮影も順調に進んでそうですね!」
「それがさ________」
天の話によるとヒロイン役が最近人気上昇中でモデルらしく演技がひどいらしい
ずっとNGを出すもんで今現在一時休憩なんだとも言った
「大変なんですね……」
「技術がないのに名前だけ売れた子なんてこの世にはごまんといる。その逆も然りだけど。」
私も前者と後者、どちらにもならないように頑張らなくてはと改めて決意したところで電話の着信音が鳴る
「ボクのだ。ごめん、少し待ってて」
一旦外に出て話し始める天をぼんやり眺めて彼の美しさをしみじみ感じた
そして、再びこんな自分が知り合いでいいのかと自虐的になる