第1章 【9】願いと流星群 前編
「アナタ、藍希よね?礼儀正しい子は大好きよ。こちらこそありがとう」
姉鷺さんは私の両手を女性にしては大きな手で包み、ニコリと笑った
「車を正門につけておいたから行くわよ」
姉鷺さんの言葉にTRIGGERの3人は移動し始める
私たちは彼らを見送るべく後ろに続いた
正門につくと最後だからと握手を交わした
順々に乗り込む彼らを心寂しく見つめていると本当に夢のような時間だったなとポソリと口から零れた
迎えに来た車のエンジンがかかる音が聞こえる
乗り込んだ彼らはカーウィンドウを開けてこちらに手を振る
「それじゃあ……またね」
「ちゃんと連絡しろよ」
「大学、頑張って」
「「ありがとうございます」」
私たち2人が礼を言うとエンジンがかかる音が聞こえる
ゆっくりと滑り出す車が小さく、見えなくなるまで手を振り続けた