第1章 【9】願いと流星群 前編
「藍希ちゃん連絡先交換してもらってもいいかな?」
スマホを取り出しラビチャアプリを起動させQRコードで交換を果たす
「あ、楽さんと龍之介さんと交換_____」
「ボクからラビチャするからその必要は無いよ」
「あ、わかりました」
何故か私の言葉を遮ってまで交換を拒んだ
「キミはどうする?」
キミはとは私の親友の事
QRコードを差し出して読み込むか読み込まないか判断を促している
「ぜひお願いします!あと、迷惑じゃなかったら、楽さん龍之介さんとも交換したいです!」
「別に構わないぜ」
「もちろん!いいよ!」
私には“許さなかった”楽と龍之介との交換を親友は果たす
「俺よりフレンド多いんだな」
「知り合いが多ければ困ったときに助けてくれる人の幅が広がりますし」
楽がスマホの画面をのぞいて呟いたのに対し親友は自慢げに返す
「 “使えるものは使う”って性分か。嫌いじゃねぇな」
フッと笑い好感を表したかと思うと、この楽屋の引き戸ががらりと音を立てて開いた
「みんな~帰るわよ~!」
鮮やかなコーラルピンク色の髪をなびかせて入ってきたのは_____
「姉鷺カオルさんですよね?今日は遠方のところ本当にありがとうございました」
_____TRIGGERのマネージャー姉鷺カオルさんであった
姉鷺さんの姿に今日のお礼をと深々と頭を下げた