第1章 【9】願いと流星群 前編
「藍希ちゃん」
「藍希」
天と楽、二人そろって私の名前を呼んだ
「さっきぶりです。トークショーとミニライブ、お疲れ様でした。わざわざこの学校に来ていただいてありがとうございました」
天に花束を渡すと、ありがとうとニコリと笑って受け取ってくれた
「楽さんには私から」
親友から花束を受け取った楽はありがとうなと口にした
「みんな進路はバラバラなんだっけ?」
「そうなんです。私は大阪の大学に行って、この子はアニメーターになるために東京に」
「今の時代、数時間で往復できるんだから、そう、気を落とすなよ」
楽にも心当たりがあるのだろうか?
少しもの言いたげな、悲しみを含んだ目で言葉をかけてくれた
「もちろん会いに行きますよ!何せプロポーズまでされたんですからね!」
冗談を交えながら答えた途端ギュッと親友にハグされる
少し驚いて目を開いたけど、ふっと目を細めて私も会いに行くねと優しくハグし返した
「でも私がいないとこの子心配だなぁ。すぐ友達できればいいけど……」
友達作りが苦手な私は彼女にとってかなりの心配の種なんだろう