【DC】安室透になる前の君とのお話【降谷零、短編】
第2章 選択授業(高校の同級生設定のお話)
降谷Side
美術は去年同じクラスだった一ノ瀬さん会える唯一の授業だった。と言っても同じ教室内にいる以上のことはない。一学期の間も挨拶すら交わすこともなかった
「今日はデッサンだ。2人1組でお互いを描く。じゃ、好きな者同士で自由に組んでいいぞー」
好きな者同士……4月こそ歓喜の声が上がっていたが夏休み前にもなるとこの授業ではそれが当たり前になっていた。ペアでもグループでも自由なのはみんなもうわかっている
「降谷くん、よろしくね」
ボーッとしていると隣に座っていた女子に勝手に組まされてしまった。別にいいけど……ふと席の近くに女子が立っていることに気付いた
一ノ瀬さんだ。ペアが見つからないのか? そういえばいつも一緒にいる女子は欠席だった気がする。彼女の前には同じく相手が決まっていないらしい男子がいた。二人とも躊躇っているが、このままだと一ノ瀬さんと田口がペアになってしまう。そう思うと自然に体が動いていた
「俺が田口と組むよ。そしたら女子同士で組めるでしょ」
「……あ、ありがとう」
2年になってから初めて交わした言葉だった
授業も無事終わった。後で一ノ瀬さんが声をかけてくれるかも……と期待してたけれど彼女は普通に自分のクラスに帰っていった
二学期は一緒に組んでもいいか、自分から聞いてみよう
教室の窓から晴れた空を眺めながらそんな決意をした
〜fin〜