【DC】安室透になる前の君とのお話【降谷零、短編】
第2章 選択授業(高校の同級生設定のお話)
一ノ瀬Side
今日は一学期最後の美術。2人1組でお互いをデッサンするらしい
「じゃ、好きな者同士で自由に組んでいいぞー」
この先生はいつもこんな感じだ。選択授業で最初から席も自由だからみんな特に移動せずに相手を決めている。いつものことなんだけど、今日はいつも組んでる隣のクラスの女友達が欠席で相手がいない。急いで顔見知りの女子の所に向かったけれども一歩遅かった
ふと前を見ると私と同じようにペアが見つからずに1人立ちすくんでいる男子がいる。田中くん? いや、田上くんだったかな?
どうしよう……これから2時間、話したこともない男子と向かい合ってデッサンするのは嫌だ。彼も明らかに戸惑った顔をしている。でも、周りはもうみんなペアが決まっているから彼と組むしかない。声をかけようとしたその時に後ろで誰かが席を立った
「俺が、田口と組むよ」
振り返ると去年同じクラスだった男子が立っていた。渋谷くん? いや、確か古谷くんだ
「そしたら女子同士で組めるでしょ」
「……あ、ありがとう」
既に別の女子と組んでいた古谷くんが代わってくれて助かった。相手の女の子は少し不満そうだったけど、その日の授業は無事終わった
今まで同級生の男子を意識したことはなかったのに、その日から少しだけ古谷くんを気にするようになっていた。でも、古谷くんが降谷くんだったことに気付いたのは二学期になってからのお話