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文スト甘味処

第4章 ○貴方は特別な存在*中原中也







「中也、お待たせ。」



濡れた髪の毛をタオルで拭き取りながらソファに腰掛けてテレビを見ている中也に声をかける。
体の向きはそのままに顔だけこちらに向けた中也。
彼の髪もまた水分を含んでいて湿っていた。





「おぉ、待ちくたびれたぜ。早くこっちに来い。」




彼の前に行くとスッと腕を引かれ、彼の膝の上に座らされる。そして、後ろから腕を回され中也の体がぴったりとくっついた。
首筋に顔を寄せた中也はそのままスーッと大きく息を吸い込み、深呼吸する。





「一花は善い香りがするな。落ち着く。」

「そうかな?普通だと思うけど。」

「いや、普通とは思わねェな。マフィアとしていつも血生臭いとこに居るのに、一向にその匂いがしねェ。やっぱりお前は特別だ。」




そこまで実直に言葉にされると逆に此方が戸惑う。
徐々に熱を帯びてくる顔を然りげ無く中也から離していると、それは許さないと言うように両頬をグッと掴まれ中也と目線が交わる。





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