第2章 痴話喧嘩*中原中也(+芥川龍之介)
「ねぇ、龍之介。」
「何でしょう。」
「どうしてそんなに可愛いの?」
「…いやっ、僕にそんなこと言われても。」
私の仕事部屋に招いて、龍之介と一服している時。
私は、今は冬で寒いから、温かい紅茶を出してあげたわけ。
なら、龍之介が念入りにフーフーしてから、恐る恐るカップに口をつけるもんだから、可愛過ぎて心臓が痛い。
「いや、私は真剣に聞いてるの。龍之介があんまり可愛いから心臓が保たなっ、」
「一花ー、邪魔するぜ。」
…最悪だ。
折角、龍之介と二人っきりになれたと思ったのに、
中也の阿保が割り込んできやがった。
「とにかく私の心臓が、」
「おいこら、無視すんなよ。」
後ろから私の首に腕を回し
頭に顎を乗っけてくる。
「ちょっと、中也、邪魔。龍之介との時間を奪わないで。」
「おいおい、酷ェ言われようだな。まっ、離すつもりはねぇけどな。」
そう言って腕の力を強めてくる。