第1章 ○ 猫遊戯*太宰治
お互いの呼吸が荒い。
部屋には二人の息遣いと、肉体同士がぶつかり合う音、そして首輪の鈴の音が響いている。
「太宰さんっ、…私っ、もうっ!」
「私も、…だよっ。はっ、あ…。」
私のお腹に太宰さんの腕が巻きつき、より深く挿入される。
「そんなっ、したら、ダメぇっ!」
「フフッ、腰、動いてるっ。いやらしい仔猫だねぇっ…。」
「いやぁ…、イっ、く…!」
「……っく、っはぁ…。」
痺れるような快感が身体中を駆け巡る。
私が達したと同時に、太宰さんの自身がナカから引き抜かれ、太ももの裏に精液が吐き出された。
「はぁっ、…はぁ。」
行為後特有の倦怠感が身体を襲う。
身体を動かすのも怠くて、四つん這いのまま呼吸を整えていると、太宰さんにスルリと腰を撫でられる。
「いや、っん…。」
「一々いやらしい声で鳴くんだね。…私はそんな風に躾けた覚えはないんだけど。」
「ちょっ、太宰さん?」
「もう一度調教し直す必要があるみたいだね?」
背中に身体を密着させられ、耳に柔く噛みつかれる。
「休んでる暇はないよ。…もう一度、私好みに乱れてくれ。」
その言葉に返事をするように、鈴がシャランと一つ音を立てて、響いた。