第16章 おじゃまじゃない?
に煽られたなんてのは言い訳でただ俺がとまだしたかっただけだ
きっと随分前から俺はのことが好きだったんだと思う
今思えばあいつが初めて彼氏が出来たと報告してきた時、チクっと胸が傷んたし
浮気されたと泣きついてくれば、慰めた
でも、が誰のものでもなくなったと安心したりもした
気づくのが遅かっただけで、昔からを一人占めしたかったみたいだ
を膝に乗せて感情の赴くままに腰を振り、今度こそ意識を飛ばしてしまったを風呂場に連れていった
暖かいお湯に浸かって、濡れたの肌、首筋に張り付いている髪を見たらまたムクムクと欲望が顔を覗かせる
そのまま風呂場で体位を変えて何回かして完全に寝落ちしたを抱きしめたまま眠った
朝方まで抱いていたせいで随分ゆっくり眠ってしまってチェックアウトの時間まであと少し
を起こして自宅に帰っても体が言うことを聞かないと怒らせてしまう
帰ってきた萩原からは良かったなと祝福されたけど
ジト目で見てくるを見て
「ほどほどにしないと嫌われちゃうかもよ」なんて脅してくる
「が悪いんだよ、あんな風に誘われたらなぁ…」
クッションが飛んで来て、もう知らないとフラフラの体で自室に戻ってしまった
「はいはい、ごちそうさま
ねぇ、俺出てった方がいいの?」
「ん?」
「おじゃまじゃない?」
の引越しはなしだと説得して、このまま同棲することにした
刑事なんて不規則で同じ家に帰っていないと何日も会えない日が続くだろう
そんなの俺が耐えられない
「萩原が嫌じゃなかったら、このままいてくれねぇか?
家を空ける事も多いし、夜を1人にしとけねぇし…どっちがいる方がいいとおもわねぇ?」
「用心棒かよ…まぁこの物騒な世の中だしな…俺の家はまだまだ使い物にならねぇし…このまま世話になるか…
それより陣平ちゃんて過保護だったんだな…」
「しょうがねぇだろ…」
ははっ、と笑いかわいくてかわいくて仕方ないもんねーとからかってくる
萩原が家にいる時はしないと約束させられた
「声聞かされたんじゃたまったもんじゃない」と言うことらしい
俺も聞かせる気はねぇよ