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リンゴ

第7章 誠凛の実力テスト







「っ…なんだよ」


「大我はそれを聞いてどうしたいの?
涼太の彼女でも順平さんの彼女でもなければ…

私が欲しいの?」



頬杖をつきながら、妖しく笑うさや


長い髪がサラサラと零れ落ちるように流れ

その笑みは美しく、惹き込まれるようだった



さやが…欲しい?

んなもんよくわかんねえよ…


でも他の男がさやの隣にいて
さやが笑っているのを想像すると

それだけで反吐がでそうだ



「…わっかんねー
でも…そうなのかも、な…」



火神はさやの顔に手を伸ばした

触れた頬は柔らかく

小さい顔は顔をの手で全て隠れてしまいそうだった



「そう…なら、もし…
大我が国語で90点とれたら教えてあげる」


「は、はあ!?
90点!?お前っ教える気ねーだろ!」


「私が欲しいなら…出来るよね大我」



さっきまでの雰囲気はどこへやら

ぶつぶつと文句をつける火神は
それでもやる気を取り戻したようで


ガリガリと机にかじりつき勉強を始めた。



(可愛い大我…

ふふっお気に入りを2人も手に入れられるなんて
今日はついてるわ)



さやは一生懸命勉強する火神をみて

日向の時のように、にやりと笑った。



「さや!ぜってえやってやるから
覚悟しとけよっ!」


「はいはい…そこ間違ってるわよ」


「んな!」






朝になり限界まで勉強した火神は
気合いも十分に学校へ向かった


さやはというと
連日の睡眠不足で限界をむかえ

リコのベッドで眠りこんだ。


夢の中でもさやは火神に勉強を教えていて

うーんうーんとうなされながらも
どこか温かい気持ちを感じていた


(テツヤ…
いい人達に囲まれて本当によかったわね…)









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