第7章 誠凛の実力テスト
「あんたが黒子の言ってた超助っ人か
(溢れんばかりのおっ…)」
「えっとなんのことかよくわかってないんですが」
「黒子から聞いてないのか?
まあ2階上がってくれ。すぐわかるから」
日向は鼻を抑えながら
腕に犬を抱え外に出て行った。
言われた通りにパンプスを脱ぎ2階に上がる
すると
「なんでこれがわかんないんですか…!」
「だぁー!わかんねーよ!
人の気持ちがそんなすぐわかってたまるか!」
と 怒号が聞こえてきた。
「(まさか…)」
嫌な予感とめんどくさい予感がしてきたさやは
携帯を取り出し、とりあえず今吉にLINEをする
"旧友のお願いはめんどくさそうです"
"ならワシんとこ戻ってきぃや"
「返信はやっ…」
「さやさん、来てたなら早く入ってください…」
げっそりした黒子がさやに倒れ込む様に寄ってきた。
ぱふっとさやの胸にダイビングし
すりすりと頬を擦り寄せる黒子
これは相当しんどいらしい
「テツヤ…何か知らないけどよく頑張ったわね」
「さやさんだけが、僕の癒しです…」
「「「(黒子許すまじ)」」」
開けっ放しのドアから見ていた男子面々は
恨めしげに黒子を睨みつけた
さやはよしよしと黒子を撫で
とりあえず中にお邪魔した。
「えっとお久しぶりです誠凛の皆さん」
「確か…黄瀬くんの彼女の紅林さやさん、よね?」
「はい。テツヤから連絡もらって来たんですけど
どういう状況ですか、これ」
倒れ込む男達にイライラしながら机に向かう火神
の割には声をかけてきた監督は
心無しか元気そうだ。
「明後日実力テストがあるでしょう?
誠凛は下から100番の人は土曜日補習なのよ
生憎その土曜日が試合でね…」
「で、俺達が馬鹿な火神に教えてるって訳なんだよ」