第1章 主人公紹介と色々
帝光中3年
全中3連覇を成し、部活もそろそろ引退。
やる気もやる事もなくなったさやは
暇つぶしとストバスの毎日だった。
退屈な毎日
何も無いのに健気に学校行って
受験ムードでピリピリする中
気だるげな顔で惚けながら授業に出たり、出なかったり。
全中まではそれなりにわくわくして
練習にいつもより励んでみたりしたが
それも終わった今
やりたい事もやるべき事もなくなってしまった。
授業も終わり、女子バスケ部に顔を出したさやは
いつもの様に好き勝手にプレーし暇つぶしをした後
桃井の顔でも見ようかと
男子バスケ部が練習に使っている体育館へ向かっていた。
夏も過ぎ秋の風がまだ生暖かく吹いている。
少し過ごしやすくなってきたとはいえ
まだまだ残暑。
練習着の腕を肩までまくり
手に持っていたタオルで汗を拭う。
タオルに吸い込まれた汗と柔軟剤の香りが風に乗って舞う。
言い知れぬ香りは甘く
ランニングに出ようとしていた野球部男子達や
その女子マネージャーまで足を止め
その香りに 酔いしれた。