第9章 日向順平
黄瀬と別れて家に帰ったのは
随分遅くになってからだった。
ベッドにダイブしうつらうつらしながら
携帯を見る
何件かLINEがきていた
"明日本当に俺でいいのか?"
"何時にどこにする?"
"ちゃんと家に帰れたか?"
"夜…来るなら駅まで行く"
"さやーお前いつになったら
俺の試合見に来る訳?"
"ちゃんと家着いたっすかー?
大好きっすよおやすみ"
上から日向、笠松、青峰、黄瀬だ
順に返信して行き
日向とは明日11時に駅に待ち合わせする約束をして
さやは眠りについた
*****
ピーンポーン
まだ半分夢の中
家のチャイムが鳴る音が聞こえる
だるい。動く気がしない。
寝ぼけ眼で時間を確認すると
携帯の画面は朝7時を示していた
「はあ?こんな時間に誰よ」
もそもそと寝間着のままインターホンも確認せず
ガチャりとドアを開けた
どす黒いオーラを纏いながら
不機嫌MAXでドアの向こうの相手を睨む
「はいなんの用帰れ」
「おまっ顔やべーし言動やべーし
なにから突っ込んでいいかわかんねーぞ…」
「さやちゃーんあっそびまっしょー」
居たのは火神と黒子だった
さやは驚きで目を見開く
この2人に家を教えたつもりはないし
誠凛メンバーにも教えてないのに…
(誰よ、言う事を聞けない悪い子は)
さやはより一層眉間に皺を寄せながら
突然の来訪者にため息を吐いた
「…なんでテツヤ達がここを知ってるのよ」
「それは、まあ色々とありまして」
「つかあちぃ。中入っていいか?」
「ダメよ。今日は順平さんとデートだから」
「あっ、綺麗にしてるんですねさやさん」
「…テツヤ、いつの間に…」
ミスディレクションの効果なのか
いつの間にか火神に気を取られ中に入られたさやは
もう仕方ないとばかりに
汗だくの火神も招き入れた