第2章 背負った過去
『来たんでしょ?あの日が。』
『あーわかっちゃいました?』
『そりゃ分かるよ。里白の様子を見てたらね。休んでな。宿に着いたらあたしが買ってくるから。』
『ありがとうございます…』
宿につくと問題が発生…
『部屋が2人部屋が3つしかないそうです…女性2人は決まりで…『三蔵と一緒で!!』』
ですよね。と言いかけた八戒の言葉を遮って衣月が言った。
『なんで俺がお前と一緒の部屋にならなきゃいけねぇんだ…』
三蔵は不満そうな声をあげた。
『あたしがそうしたいから。』
『フンッ…』
そんなこんなで
三蔵&衣月
八戒&悟空
悟浄&里白
となった。
『悟浄?分かってますよね?』
『なんだよそれ…俺だってそれくらい弁えてるっつうの!!』
『しょうがないんですよ…僕は女性は一人しか知らないので…今の里白をどう対処していいか分からなくて…』
『大丈夫だって…任せとけって。』
八戒は何となくだが、察していたのだ。
今、里白がどういう心中でいるかを。
三蔵&衣月
『あのさ、ちょっと買いたいものがあるから行ってくる。』
衣月はシャワールームでラフな服に着替えたてから三蔵に声をかけた。
黒い七分袖のブラウスにデニムの短パン。
『そうか。行ってこい。』
三蔵は新聞から目を離さずに言った。
そんな三蔵の態度に衣月は寂しさのようなものを感じた。
自分には本当に興味がないのだと。
衣月は何も言わずに部屋を出た。
『俺なら抱かれてもいい…か…』
衣月がよく言う言葉。
先程の衣月の格好になんだか感じたことのないなにかが芽生えていた。
なぜ、そんなに自分にこだわるのかが分からなかった。
悟浄はともかく、八戒のほうが好かれるはずだろうと思っていた。
しかし、そう言われる度に少し期待してしまう自分がいた。
守らなくていいものが欲しいと思ったが衣月はどうしてか守りたいと思った。
この気持ちがなんなのか今の三蔵は知る由もない。