第12章 一心同体
悟空は悟浄と独角兕のケンカを止められずにとまどっていた。
『お前みてぇな奴に里白は似合わねぇよっ!!』
『それはお前だってそうだろうがっ!!』
『残念だなぁ?お前みたいに泣き虫じゃねぇからな~』
『泣いたことなんてねぇよっ!!あったとしてもガキの頃の話だろうがっ!!』
『あーもー!!』
悟空はどうしたらいいか分からなくて里白を呼びにいった。
『里白っ!!悟浄と独角兕がケンカしてて…』
なんとか探し出した悟空が開口一番に言った。
『しょうがないですねぇ…』
里白がため息を着くのが合図になったかのように3人でその場に向かった。
『悟浄…落ち着いてください!』
八戒が悟浄を宥める。がしかし…
『んな事言ってもよっ!!』
それでもおさまることのない悟浄の怒り。
『独角…落ち着きましょ?ね?』
『落ち着けるわけねぇだろっ!!』
独角兕も怒りがおさまらない。
『2人とも!!いい加減にしてください!!私はそんな事をして欲しいが為に悟浄と付き合っているわけではないですっ!!それに!!独角兕さんとは別にあの時に道案内しただけですしっ!!悟浄のお兄さんならそれだけの関係でしかありませんっ!!私は…悟浄を愛してます!!それはどんなにアプローチされても変わりませんっ!!』
里白が言い合いを続ける2人についにキレた。
キレることのない里白の様子にポカーンとなる2人。
『へぇーあんたらに里白がキレるとこうなるのかー』
そこをヘラヘラとからかう衣月。
『フッ…良かったじゃねぇか…悟浄…』
独角兕は諦めたようにそう言って自嘲した。