第12章 一心同体
『んーなんか…玉面公主さまも倒されちゃったみたいですし…お茶にでもしません?』
突然、八百鼡がこんな事を言い始めた。
『そうですね~そうしますか〜』
『そうしましょうか!』
そんなこんなで八百鼡の部屋に移動してのほほんとティータイムに向かってしまった八戒と里白。
『あーまだやってるよ…』
三蔵&紅孩児、悟浄&独角兕が衣月と里白の取り合いでケンカしていることに衣月は呆れつつ言った。
『あのさ〜あたしは三蔵のものだって言ってんじゃん?』
衣月が戦う紅孩児に言った。
『だそうだ。俺も衣月をお前にくれてやるつもりはない。』
『やーん♪あたし~愛されてるぅん!』
『当たり前だろ…嫌だって言っても離してやらねぇよ…』
『離さないでね〜あたしも嫌だって言っても離さないから!』
三蔵と衣月のその様子を見ていた紅孩児は
『俺のほうが…お前より相応しいっ!!』
詠唱破棄をして炎獄鬼を三蔵に向けて放った。
『三蔵っ!!』
衣月は三蔵の元に走りながら法衣を脱いだ。
『どういうことだっ!?あの時もそうだが…なぜ、法衣が燃えない!?』
紅孩児は衣月の法衣が燃えていないことに驚いた。
『火鼠の皮衣…有天経文の守り人だけに与えられる特別な衣なんだよね。まぁ、あの時は右手のほうが出ちゃったからミディアムレアにされちゃったけど。紅孩児…諦めな。どんなに足掻いたってあたしはアンタに恋愛での好意を寄せることはない。』
衣月は淡々とほぼ無表情で言った。
『俺がどんなに足掻いたってお前の隣には立てないのだな…』
紅孩児は悲しそうに呟くように言った。