第11章 ウラ最~ケンカ~
見兼ねた光明は女の子を生かすことをやめようと言った。
『私だって…日々…成長していくこの子を愛おしいです…しかし、煌央の体が…』
光明もこの時…葛藤していたのだ。
愛する者の2人の命を天秤にかけられ、三蔵法師としての責務を果たすか否かと言われているようなものなのだから。
『分かってます…でも、あたしはこの子を守りたい。この子の人生が波乱になろうとも…強く生きて欲しいんです!!でも…こうやって離れ離れになるのも辛い…ずっと一緒にいたいです。』
煌央は真っ直ぐな瞳で言った。
2人は…禁断の術を使った……
それは……命の契約…
もし、将来的にどちらかに何かあれば…両方が死ぬ。
その時にどちらかに弟子が出来たら…有天経文は衣月が継承させようと2人で決めた。
『……っていうわけ…あたしが生まれて来なければ…光明三蔵は亡くならなかった…それに…三蔵の養父が光明三蔵なら…あたし達は義理とはいえ…姉弟なんだよ?なんか…すごく複雑で…どう伝えていいか分からなかった…』
衣月はそこまで言うと…三蔵に抱きついた。
それに答えるかのように三蔵も衣月を抱きしめた。
『お前のせいじゃねぇよ…お前のことだ…言ったら恨むだろうとか思ってたんだろ?』
『うん……』
『恨まねぇよ…逆に感謝してぇくらいだ。その代わり…今夜は覚悟しておけ…』
『それはどういう意味で?』
『お前が買ってきた玩具で遊んでやるよ…』
『遠慮しときます…あれは…オ〇ニー用であって…そういう事をする為じゃなくて…三蔵には普通に抱かれたいというか…』
『却下だ。』
そう言いつつ…いわゆる、壁ドンをしてくる三蔵。
至近距離に三蔵の整った顔がある。
流石の衣月もこれには頭が追いついていかなかった。
『…っんぅ…んっ…』
噛み付くように三蔵にキスをされた衣月。
三蔵はいつもよりしつこいくらいに舌を絡ませてきた。