第10章 現状打破
『いったぁ…』
『っ…!!』
数日後…衣月と三蔵は目を覚ました。
『良かったです~~!!』
『里白…分かったから離して…痛い…』
『あっ…すいません…』
里白は衣月に抱きついて嬉し泣きをした。
『目を覚ましたか。旭影殿から通達がきた。』
紗烙が部屋入ってきて言った。
『で?なんだって?』
衣月がタバコに火を付けると三蔵もタバコに火を付けた。
『玄奘三蔵、煌玄三蔵一行、紗烙三蔵は直ちに旭影殿に来られたし…だそうだ。』
紗烙はめんどくさいという様子で言った。
『ここにいることはお見通しってことですね。』
八戒が言った。
『そのようだな。』
紗烙はタバコを吹かしつつ言った。
『でも…2人はまだ怪我も治っていないのにっ!!』
『里白…あたしは行く。三蔵も行くよね?』
『あぁ…』
旭影殿につくと…
『混沌はいつか…途絶え…轍はいつか途絶える…命運は途絶え、癒しを得る者…聖と魔を併せ持つ者を変えるであろう…このサキヨミが何を意味するかは分からぬ…しかし、お主らの命運は尽きた。ここで帰るのが良かろう。』
少女が現れて突然…こんな事を言い出した。
『お久しゅうございます…クマリ、タルチェ…』
紗烙は少女に跪いて言った。
『うむ。お嬢も健勝のようじゃの。』
タルチェはこたえた。
『この子がクマリか……話には聞いた事がある。三蔵が持つ、魔天経文の守護者であった者の妹にあたる…どのクマリ達よりもサキヨミは違えないと…』
衣月が淡々と言った。
『私もその魔天経文のことは初耳だ…』
紗烙が驚いたように言った。
『うむ。お嬢の前に恒天城におったのは有天経文の守り人であった者であったのぉ…その時は有天城という名であった。病に倒れた時には有天部隊も北にある楼央院(ろうおういん)に移り住んだ。玄奘三蔵…お主は煌玄三蔵を失ったとしても…己を見失わずに居られるか?』
タルチェは淡々と語った。