第10章 現状打破
『三蔵っ!?衣月っ!?』
『あー悟空…紅孩児に二人揃ってやられちゃって…』
衣月はそう言って気を失った。
三蔵は既に気を失っているようだ。
『あれから……三蔵も衣月も目を覚ましませんね…』
里白が心配そうに言った。
『そうですね…2人とも…このまま目を覚まさなければ…明後日か今日が山だそうです…』
八戒は悲しそうに言った。
『衣月っ……そんなの嫌ですっ!!目を覚ましてくださいよっ!!いつもみたいにドギツくてストレートな下ネタ言ってくださいよっ!!』
里白は衣月の体を揺すって叫ぶように言った。
『里白…落ち着けよ…』
悟浄は取り乱す里白を自分の方に向かせて抱きしめた。
『衣月も三蔵も…こんなんで死ぬような玉か?大丈夫だって…な?』
『はい……』
里白は悟浄に抱きしめられながら泣いていた。
『そういや…悟空は?』
里白を抱きしめたまま悟浄が八戒に言った。
『復旧作業に行ってます。成長しましたよね…悟空も…前までは落ち込んで手がつけられなかったのに…』
八戒はそう言って微笑んだ。
『星は違えぬ…轍はいつか…途絶えるだろう…しかし、僅かな共鳴により…混沌から平和をもたらすであろう…聖と魔を宿す者…光を纏い予見する者により救われる…』
旭影殿で少女が1人呟くように言った。
この言葉が何を意味するのか…