第9章 蒟蒻問答
『僕は…悟浄と里白と行かせてください。』
八戒が言った。
なにかを隠しているような物言いだった。
『なんでです?私たちは2人で大丈夫ですよ?』
里白は不思議そうに言った。
『理由は後で話します。今は話していている暇はありませんから。』
八戒は意地でもは言わないつもりのようだ。
『分かった…お前らに任せよう。』
紗烙はそう言って本殿へと向かっていった。
『減らないねぇ…はぁっ!!』
『オン マリシエイ ソワカっ!!』
『そんな術も使えるのか…』
術も使いつつ戦う衣月と波珊に三蔵が言った。
『え?三蔵…使えないとか??』
衣月が驚いたように言った。
『いや、それよりも…俺は明らかに詠唱破棄したことに驚いてるがな…』
波珊は衣月が詠唱破棄したことに驚いているらしい。
『そう?詠唱とかめんどくさいから破棄したら出来ちゃったみたいな?』
衣月はそう言ってあはは〜という様子で笑っている。
〖法力を使うには…詠唱というものがあるんです。私はめんどくさいからしませんけどね?〗
三蔵は今は亡き師匠が言っていたことを思い出した。
『まぁ、一応…三蔵法師を継承するにあたって叩き込まれたし?波珊もそうでしょ?』
衣月はそう言って詠唱破棄をしつつ遠くに見える妖怪を倒していく。
『まぁな…』
それに波珊が答える。
『そんなんでよく、三蔵法師になれたよね〜』
『知らん…俺が聞きてぇよっ!!』
衣月のからかうような言葉に三蔵は妖怪を銃で撃ちながら答えた。
『我が名は紅孩児…玉面公主の命により、紗烙三蔵の持つ…恒天経文を頂きに来た。』
風が吹いたかと思えばそこには紅孩児がいた。
『なるほどな…敵が多いと思えばお前が黒幕か。』
三蔵がタバコを取り出して火をつけながら言った。