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~桜の木の下で~

第9章  蒟蒻問答



『あーひまひーねぇ〜三蔵…せめてさ〜キスくらいしてよー濃厚なやーつー』

『うるせぇ…少しは書物庫に来てんだから読むくらいしろ。』

三蔵と衣月は書物庫に来ていた。

書物を読む三蔵に対して、衣月はタバコを吸ってダラダラしていた。

『そんなの…読み飽きた。昔…沢山見たし。飽きるほど修行して飽きるほど術も使いまくった。』

衣月はそう言ってタバコを吹かしている。

そんな時…ゴォオオオンという大きな音がした。


恒天城の結界が破られた。











同時刻より少し前。

『悟空…迷ってるんですかね?大きな建物だし…』

里白が心配そうに言った。

『そうでしょうね…』

八戒も心配そうに言った。

『…ったく…しょうがねぇな…迎えにいってやるか…っ!?』

『悟浄っ!!っ!?』

突然の目眩にふらついた悟浄にそう言って立ち上がった里白もふらついた。

『……っ!?』

この時…八戒は見てしまった。
2人のうなじにそれぞれ同じ紋章が浮かんでいることに。



『今のは…っ!?』

異様な雰囲気に気づいた里白が声をあげた。

『結界が破られたっ!!妖怪が攻めてくるかもっ!!』

衣月が部屋に入ってきて言った。

『衣月…どういうことです!?』

里白が驚いたように言った。

『避難民の人の子供が妖怪に人質にとられたらしい…その親である避難民が媒体となる鐘を壊した。』

衣月は真面目な様子で言った。

急いで三蔵のいる部屋に向かう4人。






『緊急事態だっ!!それぞれの守護配置につけ!!』

4人がつくと、紗烙が護衛部隊に指示を出していた。

『三蔵とあたしはここに残って妖怪の排除かな。紗烙は結界を張り直すでしょ?』

衣月が落ち着いた様子で言った。
いつものヘラヘラしている様子はない。

『そうだな。頼んだぞ。波珊もコイツらと妖怪の討伐にむかえっ!!』

『分かった。それとっ!!紗烙の警護だなっ!!』
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