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~桜の木の下で~

第8章 神機妙算



『ふー…こういう時ぐらいしか気が休めんものだな』

紗烙は湯船に浸かりながら言った。

『そうだねぇ…まぁ、たまに妖怪が風呂に入ってきたりしてたけどさ…』

衣月が遠い目をしながら言った。

『はっはっはっ‼それはシバいてもシバキしれんなぁ?なぁ…衣月…私はお前が羨ましい。』

紗烙は後半は寂しそうに言った。

『え?なんで?あたしは紗烙が羨ましい…3つ違うだけでこんなにも堂々としてる紗烙がさ…あたしなんてこんなんだから三蔵に怒られてばっかりだし…本来は三蔵法師同士って色恋沙汰は禁止だけど…それでも一緒にいたい…三蔵法師の責務を放棄したっていい…言ってること最低だけどね…』

衣月はどこか嬉しそうに言った。

『そういうとこだ。それと、お前は先代に似て胸がデカい…隠すことはない。堂々としてろ。まぁ、私は波珊から猛烈なアピールを受けても、三蔵法師という責務の方が優先だと思ってしまうのか…色恋沙汰には興味が持てない…お前のようにそんな余裕がないのかもしれんな…』

そう言った紗烙は悲しそうだった。

『今の紗烙はそれでいいと思う。あたしはあたしでおバカさんなとこあるし、三蔵は三蔵で俺様なとこあるし…その流れというか?成り行き?みたいな感じだし。あたしは今の紗烙が好きだよ?』

『そうか…そう言ってくれるのはお前で2人目だ。』

そう言った紗烙はどこか嬉しそうだった。












『夕刻…アイツらと何を話してたんだ?』

波珊と紗烙は二人きりで執務室で話していた。

『経文についてだ。』

紗烙はタバコを吹かしつつ言った。

ーバンッ!!

波珊は紗烙に壁ドンした。

『退け。』

『嫌だと言ったら?ぐはっ…』

波珊は紗烙の膝蹴りをくらった。

『何度も言った筈だ!私を女として見るなと。』

紗烙は冷たく言い放った。

『何度だって言ってやるよっ!!俺はお前がなんだろうと諦めねぇって!!』

波珊は怒鳴るように叫ぶように言った。

『ふんっ…物好きなやつだ…』

紗烙はそう言うと去っていった。

『紗烙のこと好きなの?』

『わっ!?』

突然、現れた悟空に波珊は驚いた。

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