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~桜の木の下で~

第8章 神機妙算



『そうか……まずはここまでの無事を祝おう。』

紗烙はタバコを取り出して火を付けると三蔵と衣月にロウソクの灯りを差し出した。

三蔵がタバコに火を付けると衣月もタバコに火をつけた。

『ところで衣月…お前のその体調不良は月経だ。』

『はぇ???だって血とか出てないよ?』

衣月は紗烙の言葉に驚きすぎて変な声をあげた。
三蔵については驚きすぎて固まっている。

『そういう場合もある。アイツもそういう時があった。無排卵月経というらしい。全く…アイツは抜けすぎてるな…お前に教えなかったのか…有天経文の継承者候補となる者は体の一部を継承者前に無くす。継承者となり正式に三蔵法師となった時には…必要とあれば体の一部を取り戻す。お前…恋でもしてんのか?』

紗烙は最初は真面目に話していたが最後の言葉は茶化すように言った。

『してるよ?コレと。』

衣月は三蔵を指さしながら言った。

『ハッハッハッハっ!!血は争えねぇなぁ?とりあえず、2、3日は大人しくしていることだな。さてと、そろそろアイツらのところに戻るか。』

紗烙はそう言うと立ち上がった。

それに衣月と三蔵も続いて立ち上がった。




『ぶっちゃけどうよ?少しはいい女だなって思ってんだろ〜?あーいう気の強い女の可愛らしい姿を見るとぐっとくるだろ?乱れた姿とか見たくねぇ?』

『いや…確かに少しは…見たい気もするが…』

衣月、紗烙、三蔵が戻ると悟浄と波珊がそんなことを話していた。

『なに同意してんだ!お前はっ!!』
『聞こえてんだよっ!!このクソエロ河童がっ!!』

三蔵と紗烙はそれぞれの従者に蹴りをかました。

『ふふふ…』

里白がその様子を見て嬉しそうな安心したような微笑みを浮かべた。

『なんだよ…そんなに俺がどつかれてんのが嬉しいわけ?』

悟浄が不服そうな様子で言った。

『いえ…そういうわけではなくて、悟浄が元気になって良かったなって…さっきはすごく辛そうだったので…』

『心配かけたな…もう、大丈夫だぜ?ごめんな?里白…』

悟浄はそう言って里白の頭をぐしゃぐしゃと撫でた。

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