第7章 円鑿方枘
夕飯を食べてから里白の様子がおかしい。
前も同じだった。
でも…俺には何も出来なかった。
そんなことを悟浄が考えつつ眠りにつこうとしていた時。
ーガシャッンっ!!
『三蔵一行!!経文をよこせ!!』
妖怪達が襲ってきた。
『おお!やっぱり…女がいるぜ?1人は三蔵法師だろ?処女を抱けるってことだろ!』
『お前…そういうの好きだなぁ?1人は出来損ないの女だけど、まぁ使ってやるよ。』
『おいこら…クズども…さっきからゴチャゴチャうるせぇんだよ…人の睡眠妨害した挙句…人の親友を貶しやがって…ふざけんじゃねぇっ!!』
ーパンッパンッパンッパンッー
衣月は見事な早打ちで1人で妖怪を倒してしまった。
『里白…いつまで過去に捕らわれるな。里白はあたしに希望をくれた。幸せだった日々から突然…何もなくなったあたしに人生の楽しさを教えてくれたのは里白だ。里白は出来損ないなんかじゃない。』
『衣月…ありがとうございます…』
里白は衣月の言葉に嬉しそうに微笑んだ。
『さて、寝るか…』
衣月はそう言ってまた寝始めた。
現在時刻は6時。
『『『『寝るなーー!!』』』』
里白と八戒以外から総ツッコミが入った。
『三蔵がキスしてくれたら起きる…』
『くだらねぇこと言ってねぇで起きろ…起きねぇやつには何もやらん。』
三蔵のその言葉に不機嫌になりながら起き上がる衣月。
『眠い…』
衣月はそう言ってタバコに火をつけた。
それぞれ身支度をするが衣月だけはまた寝た。
『全く…まずは起き上がれ…』
『ぅー…』
三蔵の言葉に起き上がる衣月。
三蔵は衣月のカバンから櫛や髪ゴムが入ったポーチを出してボサボサの衣月の髪を梳かしていく。