第6章 直情径行
いつもなように西を目指す6人。
助手席で幸せそうに抱き合って寝ている衣月と三蔵。
珍しく悟浄と悟空も静かにしている。
『どうしたんです?いつもならケンカをしているタイミングなのに…』
不思議そうに里白が言った。
『いや…なんか今…この二人を起こしたら…』
『うん…なんかヤバそうな気がする…』
悟浄と悟空はそう言いながら苦笑いを浮かべていた。
『あー確かに…寝起きの衣月ほど怖いものはないですからね…』
里白の言う通り…衣月の寝起きはかなり悪い。
三蔵よりも悪い…
そんな中に襲ってきてしまった妖怪。
『三蔵一行!!経文をよこせ!!』
『………。』
衣月が覚醒。
衣月の整った顔立ちに合わないような勢いで眉間にシワがよっている。
衣月は無言で妖怪を倒していく。
『おい、お前…三蔵法師なのか?それにしてもいい体してんなぁ?俺らに抱かれろよ…坊さんってことは体が寂しいだろー?』
妖怪が衣月の豊満な胸を見て言った。
『あーあ…地雷ふんじゃいましたね…』
と里白
『そうですね〜』
と八戒
『だからなんだってんだ?俺が女だってのがお前に抱かれる理由になるってのか?ふざけるな…あいにく、体は満たされてんだよっ!!バーカ!!俺が抱かれんのは三蔵だけじゃボケェっ!!』
衣月は、からかってきた妖怪達を次元○介並の早撃ちで倒した。
まだブチ切れモードの衣月の頭にポンっと三蔵が手を乗せると衣月は猫のように三蔵に抱きつきスリスリする。
三蔵と出会ってから『三蔵』と名前を出しただけだったり、傍に三蔵がいると衣月の機嫌はすぐに治る。
そして、そんな衣月にキスをする三蔵。
『あーまた自分達の世界に入っちゃいましたね…』
八戒が苦笑いしながら言った。
『あらあら…お熱い二人ですね〜』
『確かにお熱いな〜こっちまでしたくなっちまうだろ?なぁ?里白…』
悟浄はそう言って里白の腰に手を回した。