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~桜の木の下で~

第4章 晴天霹靂



『はぁ…』

里白は飲んだ気がしなくて1人でBARに来ていた。
里白はザルに近い。
酔ったことがないのだ。

里白は三蔵と衣月を見ていると羨ましく思う事がある。

なんでもストレートに気持ちや欲求を口にする衣月。

自分にはそんなことは出来ないことは分かっていた。
悟浄はどんなタイプがいいんだろう?

里白はそんなモヤモヤした気持ちのまま宿屋に戻った。

『あれ?悟浄…戻ってたんですか?さっきまで居なかったのに…』

部屋に戻ると悟浄がいた。

『悟浄?』

『あ…わりぃ…考え事しててさ。おかえり…里白…』

『悟浄が考え事とか珍しいですね。』

『俺だって考え事くらいするっつうの…』

『で?何を考えてたんです?』

『え…あー秘密…』

『なんですかそれ…』

『さてと…寝るかなー』

悟浄はそう言うとベットに横になった。

里白は悲しいような寂しいような気持ちになった。
やはり…自分には興味はないのだと。
衣月は背も高くてスタイルがいい。

それに比べて自分は背が小さい。
そんな自分じゃ、悟浄には相手にはして貰えないのだと思っていた。

里白もベットに入って眠りについた。









『里白?どしたの?朝から浮かない顔して…』

翌朝、衣月にそう言われた。

『なんでもないですよ。』

里白は笑顔で答えたつもりだった。

『うそつき。魂の叫びが聞こえる。』

余裕が無さすぎて忘れていた…
衣月はそういうのも分かってしまうのだと。

『悟浄のことでしょ。』

衣月はため息をついて言うとタバコに火を付けた。
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