第4章 晴天霹靂
『バレてましたか…』
『バレるねぇ…』
里白はそう言いつつ衣月のタバコを持つ手に目がいった。
『衣月って…手が綺麗ですよね…』
『何を突然…』
『だって…衣月は胸もあるし…スタイルもいいし…私なんかと比べ物にならないじゃないですか。』
里白はまくし立てるように言った。
ここが宿屋の共同トイレである為に声が響いた。
『あのさ…それがなに?スタイルよくたってなんだってさ中身が良くなけりゃ意味が無いよ?あたしなんて仏道に帰依するどころか御仏に楯突くようなやつだよ?里白は見ためだけの奴になりたいの?そうなりたいならそこら辺の無駄に着飾った奴らとおなじ。』
『………』
『あたしは勢いで告白しちゃった人だけど…あたしと違って里白はまだ時間がある。焦らなくていいんじゃない?ほら、いくよ。』
里白は衣月に強引に連れられて四人の待つフロントに向かった。
『え?なんで?』
『なんでもだ。』
『え?やだ。』
『うるせぇ…大人しく座っとけ。』
上の会話は三蔵と衣月である。
三蔵が膝の上に座れと言い出し、それに座りつつも拒否し続ける衣月。
『じゃ…里白は俺の膝上にくる?』
『そういうのは夜にお願いします。まだ昼なんで』
『え〜つれないねぇ…』
『悟浄…ふられた?』
『うるせぇ!!ばか猿!!振られてねぇよ!!』
『馬鹿猿とかいうな!!エロエロ河童!!』
『やんのかっ!!クソチビ猿!!』
『上等だっ!!赤ゴキブリ河童!!』
『2人とも…静かにして頂けます?』
『『はい…』』
里白のニッコリには悟空と悟浄も勝てないのであった。