第23章 眠っていた力
その夜から荒治療が始まる。
『んんっぅ…やぁ…んっ…』
ひたすら、キスだけを繰り返すだけ。
前の衣月ならここで三蔵を誘ってくる筈だ。
しかし、今の衣月にそれはない。
それを繰り返すこと1週間…
『あー…三蔵の○○○をあたしの○○○に突っ込んでほしいわー』
いつもの衣月が戻ってきた。
『良かった…元気になったんですね。』
その言葉を聞いた里白が安心したかのように言った。
『はっ?何が?あたしはいつも元気だよ?』
『え?』
『え?』
お互いポカーン。
どうやら、衣月は記憶がないらしい。
『なんでそうなったんだろう?意味不明だわ…』
衣月はそう言いつつタバコに火を付けた。
『逃げようとしたのでは?』
『どういう事??』
紫煙を燻らせながら衣月が里白の言葉に反応する。
『何か隠したいこと、辛いことから逃げる為に偽りの自分を一時的に作り出してしまった。という事なんだと思いますよ。』
『なるほどねぇ〜…んー…それよりもめっちゃセックスしたい!!』
『包み隠さず言わないでくださいよ…』
里白はいつもの衣月に戻った事に安所しつつ呆れた。