第22章 約束
『なぜ…俺に言わなかった…』
三蔵はあからさまに不機嫌な状態で言った。
『言ってなんになる?全力で止めた?止めることなんて出来ないよ。これが有天経文を継承した者への運命。三仏神はウチらの関係は認めるって言ったけど、運命を打ち消すとは言ってない。代々の守り人もそうやって許しを乞うてきた。運命は同じ…先代は…捨てることが出来なくて一緒に居ることを諦めた…でも…あたしは…一緒にいたい…』
衣月は泣きそうになりながら言った。
『全力で俺がとめてやる…そんな下らん運命なんてクソ喰らえだ。要は…不安になって俺との行為に依存していたんだろ?』
『たぶん……』
三蔵の言葉に衣月は震え声のまま答えた。
『それにしても…その僧侶…どこで三蔵と衣月の関係を知ったんですかね?』
八戒は不思議そうに言った。
『確かにそうだよなぁ?だってさー三蔵と衣月のいつも寝てる部屋って防音室だぜ?』
空気と化していた悟空が言った。
『もしかして…カマかけてきたとか?』
悟浄が苦笑いしつつ言った。
内心…自分も性欲は強い方だが、そこまでするか?と思ったのである。
『その可能性がありますね。』
悟浄の言葉に里白が納得したように言った。