第22章 約束
『それで?どうするわけ?』
悟浄がいつの間にか火をつけたタバコを咥えつつ背伸びしつつ言った。
『治療…でしょうね。』
それに八戒が考え込んだように言った。
『治療と言っても何をするんです?』
八戒の言葉に里白が反応する。
『カウンセリングってやつですよ。不安を少しでも取り除けば良くなるかと…というわけで行きますよ。』
その八戒の言葉に悟浄と里白は慶雲院へと向かった。
『ってなわけで…カウンセリングを始めますよ。』
『イヤイヤ……八戒?めっちゃ急すぎない?』
八戒はどこから持ってきたのか、白衣を着て紙が挟まれたバインダーとボールペンを持って椅子に座っている。
その様子に衣月が突っ込む…
衣月の隣には三蔵が不機嫌そうに座っている。
『んなもん…放っておけばいいだろ…いつものことだ。』
『そうはいかないんですよ。これだと衣月の精神状態が安定しません。』
不機嫌に言う三蔵に八戒が言う。
『さて、衣月…今、不安に思っていることは?』
八戒は衣月にメガネをスチャッと音がしそうな様子で触りつつ問う。
『不安………?…………?それよりもしたい。』
『あはは……では、質問を変えましょう…死ぬのは怖いですか?』
『っ!!怖くない…別に…怖くない…』
衣月は何かに怯えるように怖くないと言い続けている。
『どうしたんです?話してください。それとも…三蔵がいると言えないことですか?』
八戒が衣月に言った。
『旅から帰ってきて…3日後のことなんだけど…』
衣月は語り出した。