第22章 約束
『衣月…今更ですけどなんで髪の毛を結んでないんですか?』
『徹夜明け…』
『なんでまた徹夜なんてしちゃったんですか? 』
『ちょっとやらないといけないことがあってさ…里白が相手なら別に良いかなーって』
そう言ってタバコを灰皿に押し付けつつアクビする衣月。
『せめて、身だしなみくらい整えてくださいよ…ところで、なぜ、今日から三蔵と執務室が別になってるんです?三蔵…嫉妬深いのに…』
里白はそう言うと冷めたお茶を飲み干した。
『そうなんだけどさ…あたしがダメなんだよね…仕事してる三蔵を見てるとね…あ〜チューしたいあーエッチなことしたいーとか思ってきちゃって仕事にならないっていうか…』
『それ、三蔵に話したんですか?』
『話したよ?昨日。そしたら…溜め息つかれてそこから会ってない…』
『もしかして…やる事って三蔵が来るの待ってたんですか?』
ずっと様子のおかしかった衣月。
この話で里白は察した。
『うん……。でも、約束したのにちゃんとしなかったのは、あたしだからしょうがない…』
『約束??』
『寺に戻ったら、旅してた時みたいにずっと傍にいることなんて出来ないからその異常な性欲をどうにかしろって言われてたの…でも、それがあたしには我慢出来なかったってことだから…』