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~桜の木の下で~

第21章 体がいくつあっても足りない!!


『玄奘三蔵さまっ!!』

僧侶たちが何やらドタバタとしている。

『坊恋花だろ。』

僧侶たちが言う前に三蔵が言った。

『ご存知なら早い…煌玄さまを早くお部屋にっ!!もしや…』

『あぁ…コイツもやられたらしいな。』

『分かりました。後でお着替え等をお持ちします。』

何かを察した僧侶。
実はこの僧侶はあの時の犯罪組織の1人。
他の男たちは途中で逃げ出して1人だけ残った。

芳隆(ほうりゅう)と名を改めて修行に勤しんでいる。
他の僧侶たちには衣月と三蔵の関係は秘密だが、この芳隆は事情を知っている為、2人の世話係として三蔵が命じた。

芳隆が衣月の身が危ないと思ったのか、坊恋花にやられた僧侶達を1つの部屋に隔離してくれたようですんなりと部屋に戻ることができた。



『衣月…大丈夫か?』

此処に来た時に新調したベットに衣月を優しく寝かせると三蔵は言った。

『大丈夫…』

絶対に大丈夫じゃなさそうな声で衣月が答える。

『そうか。』

そう言ってベットに腰掛ける三蔵。
その振動で衣月がピクっとしたのを三蔵は見逃さなかった。

何も言わずに衣月の背中をつ〜っと下から上になぞる三蔵。

『んぁぁぁぁぁぁっ!!なにすんのっ!!』

まだ強がる衣月。

『やられてんだろ?坊恋花に… 強がるな。』

息があがっている衣月の耳元で優しい口調で言う三蔵。

『そういうの…しないで…今したらヤバいの…‼旅の途中にあったでしょっ!!!あたしが媚薬飲んじゃって…大変な事になったのー!!あの時…ベット汚して弁償代払うことになっちゃったじゃん…』

『安心しろ…今回は弁償代なんていらん。』

『乾くまでどこで寝るのっ!!』

『はぁ…分かった。』

三蔵は衣月をいわゆる、お姫様抱っこをして部屋に備え付けのシャワールームに向かった。




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