第18章 悪木盗泉
『相手も坊さんとはなぁ?綺麗な顔してんじゃねぇか…お前も高く売れそうだなぁ?』
男はニヤニヤとしている。
『その減らず口を黙らせてあげようか?坊さんだからって守られるだけとでも思ってる?』
衣月はニコニコと微笑みながら男たちに銃を向けた。
『そんなもん向けてなんになる?さっきだって外してやがったじゃねえかっ!!』
ビビりながらも男は威嚇してくる。
ーパァンっ!!
『うぎゃぁぁぁぁああああ!!』
衣月の放った銃弾が男の足に命中した。
『外してやったんだよ?そんなこともわかんないの?この街には取り締まる輩がいない。だからこそ、お前らみたいな組織が増える。だったら簡単なこと。それを取り締まってしまったらいい…』
衣月の言葉に現れた大勢の銃器などを装備した集団の女性。
『煌玄さまっ!!!お連れの方もご無事で。』
1人の女性が衣月たちの姿を確認して言った。
『無事だよ。これからはコイツらに取り締まって貰う。てかさ、あたしは楼央院の一切を取り仕切ってた煌玄三蔵法師。この街はあたしの監視下にあるってことを忘れた?あたしに楯突いた時点で終了のお知らせってことだよ?』
衣月はそう言ってクスっと微笑んだ。
『そうです。煌玄さまは、楼央院の事は私達に任せるとおっしゃいましたが、この街の管理だけは私達では無理だと言うとお手伝いして頂けるとのこと。あなた方には手を焼いておりました。観念して裁きをお受けください!!』
集団の女性の1人が言った。
『衣月?裁きと言ってもどうするんですか?この人達は殺人まで犯しています。仏教は無殺生でしょう?』
里白が不思議そうに言った。
『それはね?』
フフっと衣月が微笑むと…三蔵がため息をついた。