第2章 背負った過去
部屋のドアがノックされた。
『里白〜?買ってきたよー?』
『開いてるので入って来てくれますー?』
里白がそう言うと衣月が入ってきた。
『なんとまぁ…可愛らしい格好しちゃってますね。』
里白は衣月の格好を見て言った。
『たまにはね。はい。これ。一応、昼、夜用とタンポンと買っておいた。』
『ありがとうございます…』
里白は衣月から紙袋を受け取った。
『悟浄…里白を頼んだよ。』
衣月は悟浄に向かってそう言うと返答を待たずに部屋を出ていった。
悟浄はその言葉の意味を理解出来なかったがその夜に知ることになる。
〖死ねっ!死ねっ!あんたなんかっ!!大嫌いっ!〗
痛いよ…やめて…
『……里白っ!!』
『悟浄……』
里白は悟浄の声で起きた。
『魘されてたけど大丈夫か?』
『はい…夢を…見たんです…母親に殴られる夢を…っ!?』
悟浄は里白を突然、抱きしめた。
『泣けよ…辛いなら我慢せずに泣けよ…このまま居てやるから…』
笑って答えたつもりだったのに…きっとうまく笑えてなかったのかもしれない。
里白は久しぶりに泣いた…
今まで泣くことさえ許されなかった。
泣けばもっと殴られたから…
里白はそのうち泣き疲れて寝てしまった。
『はぁ……こんな姿にでも反応しちまうとはな…』
悟浄は己の股間が反応していることに気づいて自分を嘲笑った…
悟浄は優しく里白を起こさないようにベットに寝かせて布団をかけた。
いつもなら、すぐに抱いてしまうのに…
それが出来ない自分に歯痒さを感じながら悟浄も再び眠りについた。