第15章 琴瑟相和
「どういうことよ??」
困惑していた悟浄が声をあげた。
「あたしは三蔵と付き合ってる。悟浄…アンタは里白と付き合ってる。それがこのバカ3人に仕組まれてあたし達と付き合ってる事実を忘れてる。」
衣月は冷たく言い放った。
しかし…衣月の瞳からは涙が流れていた。
「ふんっ…三蔵法師って言っても1人の女ってこと?どんな気持ち?愛した男を取られる気分は。立場ってものを考えなさい?」
「そうそう…あいにくアタシたちは体は男なの。仏道に帰依している方々だとしても気兼ねなくお付き合い出来るわけ。」
「というわけでそこのお兄さん2人は頂くわ。」
妖怪3人は衣月をバカにしたように言った。
「お好きどうぞ。」
「衣月っ!?何言ってるんですかっ!!良いんですかっ!?三蔵があの人たちに取られるんですよっ!?」
里白が衣月を自分に無理に向かせて言った。
「あたしは…三蔵を信じてるから…必ず…あたしを…また…愛してるって…言ってくれる…って…」
三蔵は衣月のこの言葉に困惑していた。
自分には衣月を好きでいた記憶なんてないのに…衣月が泣いているのを見るとすごく辛い。
「でも、タダで渡す訳にはいかない。あたしと戦って勝てたらね。」
衣月は銃を投げ捨てて素手で3人に向かっていった。
「いいわねぇ?アタシたちに勝てたら解毒剤を渡してあげるわ。」
3人のうち1人が言った。
衣月は1人で3人の相手をしている。
3人の拳や蹴りは1発も衣月に当たっていない。