第15章 琴瑟相和
「分かってる……」
そう言った衣月の様子は明らかに落ち込んでいた。
それでも口元は笑っていて…どこか痛々しかった。
衣月はこういう人なのだ。
辛い時こそずっと笑っている。
とりあえず、朝ごはんを食べにいって街を出る準備をしていた。
衣月は後ろの席に座っていて常にタバコを吹かしていた。
どこかピリピリしている衣月にいつものケンカする2人も圧倒されてしまっている。
「衣月…なんかおこってる?」
悟空が恐る恐る聞いた。
「別に。怒ってはいない。イラついてはいるけど。」
衣月がそう言った時だった。
「ふふふ…クスリの効果が現れたみたいね。そのクスリはコーヒーに混ぜさせて貰ったわ。」
「そのイライラがどんどん日頃の不満に変わって嫌いになっちゃうのよ〜」
「その綺麗なお兄さん2人は私たちに惚れ込むようにしてあるの。」
宿屋にいた3人が登場。
「解毒剤だせ。3秒以内に出さないと撃ち殺す。……おせぇわっ!!」
ーパァンっ!!
こう言って発砲したのは衣月。
「まだ、1秒も経ってないわよっ!?」
妖怪の1人が言った。
「早くしろ……撃ち殺すとあたしは言った。今度はしっかりと心臓狙ってやるから安心しろ。」
「安心出来るわけないじゃないっ!!」
妖怪の1人がツッコミを入れた。
「君らにいい事おしえてあげるよ。あたしを殺せばあんたらが狙ってるそこの玄奘三蔵も死ぬ。なんなら試してみる?まぁ、試した頃にはもう手遅れだけどね。」
衣月は淡々と冷静に冷たく言い放った。
「ふふふ…まぁ、それが本当だとしてもアタシたちのクスリのおかげであなた達のダーリンはもうあなた達のことは眼中にないのっ!!それにっ!!不釣り合いなのよっ!!あんたたちみたいな子達とはねっ!!」
妖怪の1人が喚き散らした。