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~桜の木の下で~

第15章 琴瑟相和



「なんか嫌な予感がする。三蔵…約束して?何があってもあたしを愛してくれてるよね?」

朝起きると突然、支度をしていた衣月が言い始めた。

「あぁ?当たり前だろ。」

三蔵は意味が分からなかったがとりあえずそう答えた。

「おはようございます。起きてますか?」

ドアがノックされて八戒の声が聞こえた。

「おはよう。起きてるよ。」

衣月が答えた。
その声は先程のような緊迫したようなものではなく、いつもの衣月だった。

「朝食を食べに行こうかと思ってるのでロビーに来てくださいね?」

「はーい」

八戒の言葉に衣月は返事をした。

「さて、行こっか。」

衣月の言葉に三蔵は座っていたベットから立ち上がり部屋を出る衣月について行った。

少しづつ異変は起きていた。

「衣月……あれ…」

里白が悲しそうな悔しそうな複雑な気持ちになりながら指さした方向には……

「可愛い名前だねぇ?俺と遊ばない?」

女の子にナンパする悟浄。

「は?喧嘩でもした?」

衣月は驚きながら言った。
里白は無言で首を横に振った。

「いつからあーなの?」

無言でいる里白に衣月が言った。

「朝に備え付けのコーヒーを飲んでからなんです…」

「そういえば……三蔵も飲んでた…」

いつもと変わらない三蔵。

「ねぇ三蔵?あたしのこと好き?」

「はぁ?なに言ってんだ?お前…」

意味がわからんという様子で答える三蔵。

「おかしいですよね…僕もそのコーヒーを飲んでいるのに三蔵と悟浄だけが…」

八戒が不思議そうに言った。

「うん…なんかもーこのまま…死ねる気がする…ははは…」

衣月は物凄い笑顔でこう言ってのけた。

「なにかあるはずです。衣月。気を確かに持ってください。」

衣月を慰めるかのように八戒が言った。

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