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【ダンガンロンパ】撃ち込め、恋の弾丸!【短編集】

第3章 恋のキューピッドはノート様!?【狛枝凪斗】



KISSノート
他人の名前を書くと、その人物とキスが出来るというおまじないノート。ただし、このノートを一度でも使うと心が失われる。








おまじないとはいえ、もし本当になったら見た目の可愛らしいものに対して、中身は中々にえげつない。
……そもそも、そんな代物をどこで手に入れたかというと、話は少し遡る。








事の発端は、今日までの課題を無事に終わらせて、各自自由行動になった時だった。

「さーん!」

今日は誰と過ごそうかな、と思いを巡らせながらジャバウォック公園を出ようとしたら、駆け足で近寄って来たウサミちゃんに呼び止められた。その短い手足で一生懸命こちらに来る姿がなんとも愛らしく、思わず和みながらもどうしたのかと聞くと、彼女は笑顔で丸い物を手渡してきた。何だろう、と思いながら受け取ると、それは金属でできていて表面にウサミちゃんの顔が彫られていた。

「? これは……?」
「それは"ウサミメダル"でちゅ!」
「"ウサミメダル"?」
「そうでちゅ!」

……ウサミちゃんの顔があるから"ウサミメダル"なのだろうか。
正確な名前の由来は分からないけど、とりあえずこれが何なのかは分かった。では、何故これを私に渡してきたのだろう。聞いてみると、ウサミちゃんはそれはもう嬉しそうに答えてくれた。

「今回の課題をするのに、1番頑張ってたのがさんだったからでちゅ!」
「え?そうだったの?」
「そうでちゅよ。だからそれはご褒美でちゅ!特別な物でちゅから、他のみなさんには内緒でちゅよ」
「…………」

確かに、今回の課題を達成すべくみんなと作業する時、いつもより調子のいい日が多かった気がする。でも、みんなだって頑張っていた事には変わりないのに、自分だけご褒美を貰ってしまっていいのだろうか。
そんな罪悪感を抱いている私に気付いたのか、ウサミちゃんが安心させるように優しく笑った。

「大丈夫でちゅよ。今までも課題が終わる度に、1番頑張ってた人にこっそり渡してまちたから」
「あ……そうなんだ」

それなら、とありがたく頂戴する。

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