第9章 リヴァイとの個人訓練
―初めての個人訓練。
今はリヴァイ兵長について第五訓練場へ向かっている。
通常の訓練が終わり、向かおうとしたらリヴァイがティアナを
わざわざ迎えに来てくれた。
お礼を言ったら近くを通ったから、なんて言われてしまったけれど、
リヴァイ班はティアナたちと離れた場所での訓練だったし、
リヴァイの執務室からも遠い場所だったから近くを通るはずなんて
ないのに。
嬉しくて少し頬が緩んでしまう。
「おい、何を笑ってる」
「いいえ、何でもありません」
慌てて顔を引き締めた。これから訓練してもらうのだから。
リヴァイのことは、はじめは目つき悪いし粗野で口悪くて近づきたく
ないと思っていたけれど。
何度迷惑かけて寝ちゃったりしても怒らないし、鋭い目つきの奥
には必ず仲間への思いやりとか、優しさとかがあることに気付いて。
思えば、悩んでた時に背中を押してくれてベルと友達になれたのも、
リヴァイのおかげだ。
加えてこれからは訓練してくれるとか、本当この人にはお世話に
なりすぎだな、とティアナは思う。
いつか恩返しできる日は来るのだろうか…
なんて考えてたら目的地に着いたみたいだった。