第8章 訓練に訓練、そしてちょっとの甘さ
とはいえ、気持ちを認めたくないからと言ってティアナを避ける
わけにもいかない。
というかむしろ探していた。
そしてようやく、夕食後に捕まえられた。
「おい、ティアナ」
「…なんでしょうか」
友人と一緒に歩いていたところを呼び留める。
振り返ったティアナたちはお風呂上がりだったらしく、
認めたくないリヴァイにとっては目に毒だ。
だがそんなことも気にしてられないので、さっそく本題に入る。
ティアナの友人は気をきかせて少し離れたところに移動した。
「個人訓練のこと、ハンジから聞いた。…引き受けてやる」
「ほんとですか!?」
ぱぁっと花が咲いたようにティアナが笑った。
…すぐに消えてしまったけど。
「あぁ。火曜と木曜に、訓練が終わったあと第5訓練場に来い。
分かったか」
「…火曜と木曜に第5訓練場ですね、覚えました。
本当にありがとうございます」
「別に構わない。…忘れるんじゃねぇぞ」
会話を切り上げて、友人の元に駆け寄るティアナを少し見つめて
その場を去った。
・・・
リヴァイ達が話していた廊下の曲がり角。誰もいないと思われた
そこに、一つの人影があった。
「個人訓練ってどういうこと…?あの子とリヴァイさんの二人きり
とか許さないんだから」
その人影は、やはりというべきか例の女新兵だった。