第6章 縮まる距離
リヴァイは処理し終わった書類をエルヴィンの元へもっていくため
廊下を歩いていた。
確か今日はティアナがエルヴィンから呼び出しをくらっていたはず
だが、話していたら出直そうと考えていた。
部屋について、一応ノックする。
「エルヴィン、俺だ」
「リヴァイか。入ってくれ」
どうやら誰も居ないようだった。
ドアを開けてエルヴィンに書類を渡す。
「ご苦労さま」
「エルヴィンこそ根詰めてはげねぇようにな」
「あぁ、気を付けるよ」
さっさと帰ろうと部屋を出た。
その時、さっきは気付かなかったがドアの傍で
何か丸いものが落ちていた。
もう陽は落ちていて、ランプの明かりだけではそれが何か
わからない。
誰が置いていったんだ、とリヴァイはイラつきながら
“それ”を持ち上げた。
“それ”は暖かくて、なんだろうとよく見るリヴァイ。
…なんとそれは人間、ティアナだった。
しかもぐっすり眠っている。
「チッ、なんでこんなとこで寝てんだよ」
リヴァイはティアナの部屋を知らない。
鍵に書いてあるかと思い、ティアナが首にかけていた鍵を
調べるも何も書いていない。
仕方なくリヴァイは自分の部屋へ連れて行った。