第4章 卒業、そして入団
ティアナが廊下に出ると、夕日が窓から差し込んでいた。
エルヴィンの部屋も同様だったかもしれないが、ティアナは
緊張でそこまで気が回らなかった。
先ほどまで話していたのは調査兵団の団長なのだ。
見た目はいいが、それが更に近寄りがたいような、
冷徹なイメージを膨らませていた。
ティアナはからかわれたことを思い出し、恥ずかしくなる。
エルヴィンが予想以上に気さくでいい人だったのは良かったが、
まさかああいう人物だったとは。
自分でも理由はどうかと思ったけど。
とにかく過ぎたことは忘れようと、頬を軽くたたいて
気合を入れると一旦部屋へ戻った。
・・・
部屋にはまたもや誰もいなかったが、先ほどと違って
荷物が置いてあった。
私服が畳まれているのを見て町へ行ってきたのかと推測する。
果たしていつになったら同室の人と会えるのやら。
ティアナに構わない人だといいな、なんて考えながら
軽く身なりを整え、歓迎会へと向かった。